VIEWPOINT OF PR
PRの目線

1. PRの意味、変化と認識

1-1. PRの定義も変化を続けている

PR=広報は厳密にいうと違いがあります。

広報 企業や団体が主に社会、および利害関係者に向けて情報発信すること
PR  パブリック・リレーションズ 企業と利害関係者との良い関係づくりと維持

一方的な情報発信が「広報」、双方コミュニケーションを「PR」。

つまり片方か両方かの違いがあるということだったのですが、
さまざまなソーシャルメディア、Facebook、Instagram、Twitter、LINE、アメーバブログ、YouTube、はてなブックマーク、食べログ…など当たり前に使われている昨今ではワンツーワンでの関係づくりのみでは済まされない世界となっています。

要するに発信側(企業、個人)が伝わりやすくするための細かな軌道修正をしつつ、受け手側が発信したくなる情報とする必要性がでてきているのです。

PRの意味、変化と認識

1-2. 関心と問題を探すことから

発信したくなる情報とは何でしょうか?
答えはシンプルで、「関心」「問題」この2つがその情報にはあるかということです。

まずはじめに考えるべきは、私自身の関心と問題、これでOKです。

ここから世の中の関心、問題とどうつながるかを探します。
この方法は企業でも個人であっても活用できます。
情報発信する内容のヒントがここに隠されているのです。

関心・問題はたくさんありますよね。
ここから世の中の接点、解決策を見つける、考えることが一歩になります。

1-3. 自己PRとPRはまったく別モノ

PRと広報の定義も違い、また変化を続けているのですが、時にPRはパブリック・リレーションという意味のPRではなくアピールという意味で使われる場合があります。ネット上の言語辞典にもPRの意味…知らせる、宣伝する、アナウンスする、伝える、アピールする、報知すると書いてあるのを発見しました。

きっとPRの定義があいまいで変化を続けているので、こういった事象が起こるのだろうと予測します。
ただPRに携わる者として意味が誤認されているような俗語は広まらない方がよいと感じています。

2. PRとプロモーションを比較

2-1. 「広告は一切お断り」は正しいか?

PRとプロモーション…その領域は時代とともに変化していますが、ベテラン広報担当者でも間違っていたり、そもそも意識していなかったりします。

ここではわかりやすいカテゴリで比較してみます。

PR プロモーション
雑誌紙面 記事 広告
テレビ放送での枠 報道/番組内の特集 CM、広告欄
イニシアチブ メディア 広告主
情報特性 客観的 主観的
内容 事実 主張

こう比べてみると、やたらPRの領域の方がよさそうなイメージをもたれるでしょう。

事実「取材はタダだし、大歓迎だけど、広告は一切お断り」という企業の広報担当者は多い。特にまだ起業初期のベンチャーの経営者など、あからさまな方もいらっしゃいます。

ただ、雑誌業界、テレビ業界とも広告なしには基本存在できないメディアです。
例えば、雑誌。記事広告のようにパッと見、記事のように見える広告もありますし、テレビも、オフィシャルでは報道のよう…ですが、という特集番組も存在します。

黒か?白か?ではいかない世界であることも事実。

PRとプロモーション

2-2. 広告を活用して取材を増やし、関係構築

ある企業のスタートアップ時の話です。

この企業はPRに重点をおきながらも、取材が入った媒体については、効果ある・ないにかかわらず、できる範囲で広告出稿。

そのため、繰り返し取材を受けるチャンスを増やし(もちろん企業側のネタ提供もあってのことですが)、広告と報道の相乗効果で知名度を上げていきました。

「どうしたら取材をしてもらえるか」はもちろん広報担当者としての命題ですが、メディアとの関係構築は長期戦。PRなメリットを考えるとき、長く広い目線が必要です。

取材が入ったPR活動からのきっかけで、広告出稿の話もあるかもしれません。
毛嫌いしないで提案は受けた方がよいでしょう。

3. PRとアプローチリスト

3-1. どこの・だれに提供するかがカギ

かなり以前の話です。

メーカーで、企画開発をしていた私は、いきなりやったこともないのにインハウスでPR活動を行うことになりました。

実はその1か月前までは3年に渡ってPR会社に活動を依頼していました。
戸惑う私を不憫に思ってくれたのか、PR会社の担当がコッソリ、アプローチ先リストをこっそりみせてくれたのです。(現在では到底あり得ないことなのですが…)

そのリストは、すでに業種も絞られていて、抑えておくべきライターの名前もありましたので、私の広報担当者としてのスタートダッシュがうまく切れたのはいうまでもありません。

今は配信システムを活用することもできますね。
ただそれが効果的なのは大手企業の話です。

メディア側からすれば、膨大な量のリリースが届くため、大手企業以外の情報ついては、よほどほしい情報と合致してない限り、捨てしまう現実があります。

中小企業の広報担当者がやるべきことは、メディア側に渡す情報のを吟味するよりまず先に、メディアの選定とさらに細かく誰に提供するかを決める、そのアプローチリストづくりが重要になります。

PRのアプローチリストづくり

3-2. 報道実績のある記者をリスト化

メディアに取り上げられたいテーマ、過去3年間(古すぎると意味がありません)の新聞記事、雑誌記事、テレビ番組、ウエブ媒体の情報をピックアップ。

そうすると取り上げ方の傾向、アプローチすべきメディアと編集担当者がおのずとわかっていきます。

下記に基本的なステップを記載します。

① メディア先分析・選定
② 電話プロモート
③ メディア訪問 ※ただしWEB媒体はメール等でのやりとりのみ

情報(ネタ)を変えながらこのステップを繰り返し行い、ダメだった場合は、どうすれば記事化の可能性があるのかも探る。

この地道な作業を継続してくことが、メディア側から取材依頼がくるようになる早道だと思います。

4. PRの効果測定

4-1. 広告換算は過去のものになりはじめている?

広告換算とはPR活動後に獲得した雑誌記事の面積、TVは報道された時間、それを広告で定価購入した場合、いくら相当かという尺度のようなものを指します。

かつては大企業を中心にPRの活動成果の指標として大いに活用されてきました。

WEBメディアの出現によって換算方法も複雑化していますが、換算算出を請け負う会社もあり、指針としている会社もまだあるようです。
※2017年の広報会議(広報担当者向けの業界誌)の調査では、広告換算を重要視している会社は23.9%ほどでした。

「広告換算」はコスト対価についてわかりやすい指標かもしれません。ですが、特に「質」の成果を図る視点に欠けているように見えます。

4-2. 活動前後の質・量を把握する

PRの質と量を図るためにはPR施策に対する量と質、そして自社メディアの変化についての実施前・実施後の変化を見る必要があると考えます。

量の変化 質の変化
PR、広告 ・記事数 ・記事内容
・ツイート、シェア数 ・投稿内容
・広告表示数 ・広告内容
・広告リーチ数(例:申込ぺ-ジにたどり着いた数)
自社メディアの変化 ・アクセス数/いいね数 ・問い合わせ内容、お申込み内容
・問い合わせ数
・属性 ・属性分析

上記は一例です。
自社メディアだけでなく、リアル店舗などが存在する場合は1日あたりの顧客数や平均単価、購入内容の変化をみる必要もあると思いますし、それぞれに決めるべきものなどで、絶対の指標メソッドはありません。